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VATE:やりながら覚えていくと。

 

2〜3年やったぐらいにようやく、仕事のあり方みたいなものが見えてきましたね。

 

VATE:それはどういったものですか。

 

自分で書いたり、書いてくれた人の記事を読んだりするうちにやっぱりどの雑誌でも原稿の善し悪しみたいなものとは別に「自分らしさ」みたいなものがないと、ちゃんとした書き手とは言えないなと。

 

VATE:自分らしさ、ですか。

 

器用貧乏なライターさんもたまにおられるんですね。この雑誌はこういうテイスト、この雑誌にはこういうテイスト。文体まで変えたりしがちで。でも、そういうもんじゃないと。

 

VATE:なるほど。

 

どの雑誌でも、自分らしさを表現してようやく一人前だと。ですので、私自身は書き手としての自分と、編集としてのキャリアの面白みとか、醍醐味みたいなものを30代に入る前に見つけてたっていう感じですね。

 

VATE:少し話が戻るのですが、大学に入る前から小説だったりがお好きだったんですか?

 

高校生まではスポーツをやったり、音楽が好きだったんでバンドやったりとか。元々ロックミュージシャンになれないかな?くらいの気持ちでいたんですけど、大学に入ってからは人文学的な、元々本も好きだったので、小説が好きだし作家になれたらいいなみたいな考えでしたね。

 

VATE:では作家を目指して大学を選ばれた訳ではないんですね。

 

全然そんなんじゃないですね。当時はいい大学に入るのが全てみたいな世の中だったので、とりあえずいい大学の文学部に入ろうと思ってほぼ文学部を受けてたんですけど、なぜか早稲田の法学部に受かっちゃって。法学部を蹴って文学部に行くバカはいないだろって予備校の先生に言われたので、法律に全然興味はないけどそのまま法学部に行きましたね。

 

VATE:法律に興味はないけど法学部(笑)。

 

はい。なので大学時代はひたすら小説とか本を読んでましたね。周りに割と演劇集団がいて、そこのお手伝いをしたり、制作に関わったり。面白おかしい仲間と、面白おかしいことをやっているような大学生活でしたね。

 

VATE:楽しそうですね。

 

そうですね。仲間たちで学祭に誰を呼ぶかっていう話になって、山下洋輔さん(ピアニスト)を呼んだりして。

 

VATE:呼ぶのも大変ですけど、いろいろ大丈夫だったんですか?

 

当然ノウハウもないので、大丈夫ではなかったですね(笑)。でもやりたいって奴がいたから、じゃあやろうって。