「編集」という言葉にはいろんな意味合いが含まれていて、どことなく掴み所がないように思いますよね。今回は雑誌の編集者にはじまり、ヤフー!では様々なサービスを大きく育てられ、いまは様々なプロジェクトと共にご自身のことをも編集されている宮内俊樹さんにお話をお伺いしました。
VATE:宮内さんが将来のことを考え始められたのはいつ頃ですか?
大学生の時はSF作家になりたかったんですよ。筒井康隆がすごく好きで。
VATE:執筆活動をされていたんですか。
書いて応募したりはしてたんですけど、なかなか仕事でこれをやるのは大変だなと。なので、それに一番近い職業ってなんだろうって考えた時に「編集」かなと。
VATE:小説家は難しいけど、書くという事には携わりたいということですね。
そうですね。それで探してみたら、たまたま知り合い経由で出版社のアルバイトが見つかって。
VATE:出版社では最初、どのようなことをされてましたか?
アルバイトの求人雑誌だったので、読むのが大学生とかなんですね。バイト情報の前にある企画記事を担当していたので、馬鹿なこと考えたり、人生のことを考えたり、みたいなことを面白おかしくやってましたね。
VATE:具体的にはどういった企画記事だったんですか?
街歩きだとか、実際にバイトした時のこぼれ話みたいなものとか。あと夏休みって時間があるじゃないですか。なので、長い時間あるわけだから学生は修行だ!みたいな若者が修行をする企画を出したら、企画書を書いた本人が取材するならOKみたいになって(笑)。
VATE:まず自分が修行しろと(笑)。
なので、自ら体験取材で比叡山に登って。高尾で水行をしたりとか。みたいな記事をいっぱい作ってましたね。
VATE:アルバイトでいきなり書けてしまうものなんですか。
本当に見よう見まねで書いて。基本デザイナーとかもそうだと思うんですけど、丁稚の世界じゃないですか。先輩の書いたものを見て、自分でああでもないこうでもないって試行錯誤しながらスキルを身につけて。