VATE:思い出と言えば、宮田さんは思い出をアーカイブするアプリというのを作られましたよね?
2008年にソフトバンクからiPhoneが出るっていう話になったんで、何か作ろうと思ったんですよ。それで、その時に考えていたのは、アプリケーションって、アートとして捉えられた事ってあんまりないんですよね、過去。
VATE:確かにそうですね。アプリはアプリでしかないっていう感じですね。
ただそのアプリをアートの領域までもっていくような物を作りたいなって思ってたんですよ。
VATE:なるほど。
それで21世紀美術館の秋元館長にこれからの携帯電話っていうのは、スマートフォンが主流になる、それは僕にはわかると。それでそういった物を21世紀美術館で発表することはできないですかねと、相談したんですね。そしたら、それ面白いねってなって。
VATE:つくるにあたって何をテーマにされたんですか?
iPhoneの特徴はGPSが簡単に使える事と、あと、iPhoneってセンサーの塊なんですよ。なので、それらを上手く使って今までにない方法で操作出来るアプリをつくったんです。基本的なキャッチコピーは「世界中の人々の想い出をアーカイブする」。
VATE:ほー。
例えば今、僕がここで写真を撮りますよね。これが思い出なんです。思い出というのは時間を切り取ることだと僕はこのアプリの中で定義していて、これを空に向かって振ると、この写真が位置情報とともにサーバーに飛んで行くんです。つまり、この場所に写真をポストイットみたいに貼るっていう感覚です。
VATE:面白いですね。
逆に明日、誰かがここにきて昨日ここで何があったのかって事もわかるんです。こう自分に向かって振ると、この場所で行われた過去の出来事っていうのが一覧で出てくる。
VATE:ここに来ないと見れない?
そうです、ここに来なきゃ見れないんです。