Alan Kay

Alan Kay

VATE:その後はどんなことをされていたんですか?

 

その後は色んなことをトライしましたね。例えば、ピクサーを作ろうと思って。日本に。

 

VATE:けっこうさらっと言われますけど。

 

ピクサーってやっぱりびっくりするくらいすごかったんですね。何がすごいかって、作品もそうなんですけど、手法がすごかったんですよ。ピクサーってもともとジョージ・ルーカスの会社だったんですね。いわゆる3Dの技術を作る会社だったんですよ。作品は大したもの作ってなかったんですよね。

 

VATE:そうなんですね。

 

で、ジョージ・ルーカスは離婚の和解金か何かを払うお金がいるからって、スティーブ・ジョブスに売りつけたらしいんですよ。

 

VATE:ジョブズはなぜ買ったんですかね?

 

技術に惚れたらしいんですよね。作品はどうでもよかったらしいんです。3Dを表現するためのレンダリング部分のエンジン、レンダマンっていうのがあるんですけど、それを作ってたんです。要は自分たちが作りたいと思う映像を作るためにテクノロジーから開発するっていう、極めてシリコンバレー的な発想の手法に僕は驚いたんですよ。

 

VATE:なるほど。

 

なので、ここからやらなきゃ絶対に日本のアニメって勝てないなと思ったんですよ。それでそういう会社が日本にあるのかと思って探したら、無かったんですよ。

 

VATE:いつも無いですね(笑)。

 

それで3Dスタジオを立ち上げたんです。そこにはもちろん3Dのアーティストもいるんですけど、テクノロジーをやる人間をハリウッドから3人くらい呼んで、世界中のスタジオと結んで作っていくというインターネットスタジオをつくったんですよ。