VATE:素材?

 

最初からデザインがどうこうではなく、手当たり次第に素材を触るんです。金属だったらエッチングするし、銅を曲げるにはどうするかとか、ロウ付けするにはどうするとか。今考えると、お遊びみたいで美術というよりは図工みたいでしたね。

 

VATE:モノから発想するということですよね。

 

そうですね。僕はずっと金属が好きだったので金工の授業を取ってました。アルミ溶接が面白かったので、本格的に溶接したいな、と。それで溶接の免許を取りに行きましたね。職業訓練に2日行って。

 

VATE:免許をとる必要まであったんですか?

 

免許があると、先生がいなくても機材を使えるんですね。なので「とりあえず免許取って来ます。」みたいな(笑)。

 

VATE:大学ではずっと金工を?

 

卒業製作の時に初めて木で椅子を作ったんですね。そこから完全に椅子にハマっちゃって、大学の残り2年は椅子ばっかりでした。

 

VATE:卒業後はどうされたんですか?

 

卒業の時に学校で海外研修というのがあって、すごく面白かったんです。それで住みたくなっちゃった(笑)。

 

VATE:それで?

 

向こうの大学には入りたいけど英語も出来ないし、でもとりあえず卒業したら行こうかなと思って。それで行った感じです。行き当たりばったりみたいな。

 

VATE:ばったりすぎですね(笑)。向こうではどうされたんです?

 

まず語学学校に入らないといけない。じゃあどこにするかというと、一番安いところ。手元にあった留学ガイドブックの中の一番安い学校に英語でアプリケーションを書いて送ったら返事が来たので「ここで行けそうやな。」って。