京都で注目を集める職人の一人である嘉戸さん。デザイナーから、いまの道に至った経緯をお聞きしました。
VATE:嘉戸さんは学生時代に将来どのような事がしたいと思われていましたか?
特になにも。中学生の時に美術の先生に絵を褒められて、それから絵を描く事を意識するようにはなりました。
VATE:では進路としては美術学校かなにかへ?
褒められたおかげで単純に好きになって、高校は美術学校へ行きたいなと。
VATE:それでどうされました?
担任の先生に相談したんですが、「高校の時から、美術を専門的にやらなくていい。」って言われて。それで普通の高校へ行ったんです。
VATE:美術からは遠ざかった?
選択のクラスで美術をとって、デッサンとかはしていました。
VATE:大学進学はどう考えられてました?
親に大学は出てくれと言われて、だったら美術の大学に行こうかなというレベルですね。でも普通は高校2年生くらいから受験勉強始めるでしょ?デッサンとか色彩とか、実技の勉強をしに研究所に通ったり。
VATE:そうですね。
僕はずっと野球をやってて、高校3年の夏休みまではデッサンなんか趣味程度にしかやってなかったんです。だから、研究所に初めて行った時は皆の上手さにビックリしまして。
VATE:レベルが違いました?
そうですね。ビンの細部の陰影の付け方とかを見て「何や、これ!」って。(笑)最初に自分が描いたのが酷くて、「これは受からへんな。」と思ったんですね。