VATE:それでどうされたんです?
受託の仕事は沢山ありましたけど、日銭が欲しいんですよね。なので30歳になった時は日雇いのバイトをして食いつないでましたね。
VATE:どんな事されてたんですか?
自動販売機の設置もやってましたし、冷蔵庫の工場で働いたりとかですね。結構大きな会社の冷蔵庫をつくる工場だったんですが、結構アナログで作ってんだなみたいな発見があったり(笑)。「フタはね、この機種はこれだよ」みたいな。オートマチックじゃないんだ、みたいな(笑)。
VATE:あははは。それ面白いですけど、実際は大変ですよね。
その工場は閉鎖されるんですけど、そのお知らせを一人の日雇いの人間として聞く、という事もありましたね。社員の人は大変だな、みたいなね。それでね、その時に、このトンネルから抜け出すことは出来ないんじゃないか、みたいな気持ちになってました。
VATE:故郷への貢献とか、教育とかより前に自分の食べるお金がないんですもんね。
そうですね。本当にお金がなかったですね。
VATE:それから、どうなったんですか。
そんな時に仲良くしていた友人がボランティア活動をしていて、彼から連絡があったんです。ボランティアを集めたクリスマスパーティーがあるからちょっと来ない?と。参加費が5,000円だったんですよ。
VATE:クリスマスパーティにしては安めですかね。
いやいや、でも当時の僕にとっては5,000円はもう、全然、出せない金額だったんですよ。
VATE:それでどうされたんですか?
お金は無かったんですが、とりあえず顔を出したんです。そしたら、そこにウィル・シードという会社の副社長がおられて少しお話したんですよ。
VATE:いまの状態とかも話されたんですか?
僕もプライドがあるから今こんな状態ですって友達はもちろん誰にも話してなかったんですが、なぜかその人と話しているうちに、いや実はこういう状態でって、日雇いの仕事の話なんかもしたんですよ。そしたら「それはもったいないから、うちに来て。」と言って下さって。それで面接して頂いて、入社することになったんです。