VATE:確かにそうですね。なぜその人たちに勉強を教える事になったんですか?
ある時、不良の子がですね、お前は頭がいいから一回、校則違反をしてみてくれと。頭がいいお前がタバコを吸った時に先生がどんなことを言うのか見てみたいと(笑)。
VATE:あはは。面白いですね。それでなんて言ったんですか?
僕はタバコも違反ズボンも全く興味ないから、逆に勉強を教えてやるよと。おまえらがいい点を取って、自分達で試してみりゃいいじゃんって(笑)。
VATE:なかなか強引ですね(笑)。
そうですよね。それで「俺らに出来るわけがない」って言うから、「いや、出来る。」と。
VATE:実際どうされたんですか?
点数のあがりやすい理科・社会はテストに出るところを全部教えたんですね。その時に小難しく教えるんじゃなくて、クイズ形式でやってみたり、楽しく教えたんですね。そしたら結構みんな覚えてくれて。
VATE:なるほど。それで先生に褒められた事が記憶に残ったんですね。
先生に褒められなかったとしても、その子たちが喜んでくれた事が原体験として残ってるんです。人に伝える、教える。人の「わからない」が「わかる」に変わる。そこに関わっていくのは良いな〜と思ってましたね。
VATE:では進学も教師と関わる進路に?
それもあったんですが、高校卒業のタイミングでは、ハッキリした「まちづくり」とか「地域づくり」というキーワードではないにしろ、なんとなく故郷のために何かやりたい、というのがあり、一方で矛盾するんですが大きな企業に入りたいというのもあって。
VATE:いろいろな選択肢があったと。
この職業に決めて、それに向かって努力をするという事ではなくて、大学に入って興味ある事をやっていったらいいかなと思ってました。
VATE:大学はどのように選択されましたか。
大学は広島大学の総合学部というところなんですが、入学から一年間は一般教養をやりながら2年次にコースを選べるという仕組みだったんですね。