リクルート時代

VATE:入学してから、一旦考える時間があると。

 

一年間のモラトリアムがあって、やりながら考えて行くんです。その時にいいなと思っていたキーワードなんですが、総合学部というのはジェネラリストを養成すると。スペシャリストは今までも沢山いたけれど、スペシャリストを束ねたりだとか、今まで存在しなかった学問分野・学問領域、もしくはある所に行き着くアプローチ、既存の形では出来なかったものを多様な学問を学びながら、新しいアプローチそのものを作っていくと。そういうコンセプトに共感が出来たんですね。

 

VATE:事前に何かを決めて型通りにやる、という事ではないんですね。

 

僕自身、器用に何でもこなせて、なんとなく何でも出来るみたいなタイプだったので、ジェネラリストを目指してもいいかなと。そういうことを考えながら大学を選びました。

 

VATE:就職活動はどうでしたか?

 

ずっと故郷のために何かをしたいなとは思い続けていて、広告代理店に入ってCMとかイベントをして地域を元気にする、というのも方法論としてアリかなと思って、代理店を受けたりしてましたね。代理店は結局駄目だったんですけど、リクルートの関連会社に就職が決まりました。

 

VATE:その会社ではどんなことをされていたんですか?

 

いろいろやりましたね。人事をやったり、本を作る事に関わったり。そんな中でインターネットというものが地方、特にお金がない人たちにとってやり方やタイミングを間違えなければ、非常にパワフルなツールになり得ると思っていたんですね。

 

VATE:なるほど。

 

物販等もそうですが、利益を出すことに対して非常に力を持つツールになり得ると。そう思っていた時にちょうどインターネットの部署で働き出したので、それも一つだなと。地域を元気にするということに対して、インターネットもアリだなと思ってリクルートのネット部署で仕事していました。

 

VATE:教育は頭から離れていた?

 

いえ。本質的な部分で教育というのはずっとありました。

 

VATE:その後どうされたんですか?

 

29歳の秋に、インターネットの仕事で会社を作ろうと考え、リクルートを退職しました。

 

VATE:独立を選択されたわけですね。

 

ええ。そうなんですが、実は独立しようと会社をやめた後で色々大変な事が起こったんです。それで一旦、独立のために貯めたお金が無くなってしまって、非常に貧乏な状態になったんですよ。

 

VATE:えええ!大変じゃないですか。

 

そうですね。リアルにご飯を食べるお金がなくなって、今より20kg痩せた状態にまでなりました。