19世紀フランス・ボヴェ産の焼締陶

VATE:本当に情熱的ですね。

 

でも従業員もいるので先のことも考えないととは思いますけどね(笑)。

 

VATE:このお酒にはこの器、という合わせ方とかって、

やはりお二人の師匠から教わったことがベースになってるんですか?

 

骨董屋の師匠から教えてもらってきた事というのは、本当にミニマリズムなんです。ビジュアル的なこと、サービスのこと、味わいに関してもそうなんですよ。

 

VATE:なるほど。

 

彼はもうとことんミニマムなんですね。とにかくシンプルなのが好きなんです。器も空間も花も、とにかくシンプルイズベストの人で、本当に究極のミニマリストだなと思うんですね。

 

VATE:柳野さんもミニマリストなわけですか?

 

物の見方というのは取り入れさせてもらいました。でも彼はフレンチ興味ないですし、ワインも同じくですから、複雑なものとか構築美みたいな物にはあんまり興味がないんですね。華美な装飾とか一切だめですし。

 

VATE:柳野さんはフランスもお好きですよね。

 

そういうのは味覚の師匠である方に、フランス料理、フランスの文化みたいなものを彼を通して気づかさせてもらったんです。フランスのエスプリみたいなものがあるじゃないですか。そういうのが僕自身好きになったんですよ。料理を通して。

 

VATE:料理から拡がっていったと。

 

フランスの食器、フランスのガラス、フランスの音楽そういうものが好きになったんです。だから料理もそうですけど中身の味わい、全部含めて、骨董の師匠からはもう完全にずれています。

 

VATE:柳野さんなりの場所に着地してるわけですね。

 

でも間違いなくスタートしたところはミニマリズムなんです。でも僕はやっぱり飽きてしまうんですよ。息苦しくなってしまう方なんで、やっぱり飽きちゃう。そればっかりやっててもすごく間口狭めちゃうじゃないですか。

 

VATE:そこに特化しても間口が狭くなる、と。

 

現実的に商売が成り立たない。特に京都では。東京だったら、分母が大きいからどんどん特化できる。でも、京都では本当にできないですから。それは僕も重々わかってるんです。

 

VATE:なるほど。

 

僕自身は哲学を勉強してきて、音楽馬鹿で、本当この5年くらいはクラシックばっかり聴いてきたんですけど、そのクラシックもかなり聴き込んできましたしね。自分がもともと持っていた性分、音楽好きであって、パンクも好きで、やっぱりやんちゃなことって好きなんですよ。そしたら、花にもちゃんとそれって出てくるんですよ。