戦後のノリタケ
ティーカップにホットカンパリオレンジを

VATE:でも骨董って高そうですね。

 

いやいや、傷物とか安いのもありますよ。自分でも安いのを買うようになって。家で飲む時に下手だけど料理をして、古伊万里の傷の皿で出したりしてたんですね。お酒もぐい呑みとか古いのを使って、そういうのを面白がってやってました。

 

VATE:アメリカ行きも無駄ではなかったですね。

 

アメリカに幻滅して帰ってきた事は大きかったですね。日本が嫌でアメリカには何かあるはず!みたいな事でアメリカに行ったんですが、何も無いなって。それはそれで勘違いなんですけど、その反動で日本にすごく興味がでてきたんですよね。

 

VATE:その一つが骨董になっていくわけなんですね。

 

他にも浮世絵や近代文学なんかに興味が出てきたんです。そういうところに、古伊万里ってすごくスムーズに入ってきて。

 

VATE:なるほど。

 

アメリカで挫折したからこそ、早くに自分の国はすごい文化を持ってる、という事に気付けたんでしょうね。

 

VATE:その後のお話を聞かせて下さい。

 

前後しますけど、大学三回生の時に友人にある骨董屋さんのご主人を紹介してもらったんです。年配の方なんですが、若い連中が好きで、いきなり土曜日暇だったら来いって。訳もわからずに行ったら、掃除道具を持たされて掃除させられるという(笑)。

 

VATE:(笑)。

 

来週も来られるか?みたいな感じで、気付いたら三年以上、毎週行くようになったんですね。そのうちにどんどん器も見られるようになって。音楽もやっていきたいんですけど、飲食や骨董にも興味がある、そんな中で大学を卒業したんです。

 

VATE:音楽はどうしてやめられたんですか?

 

学生時代やっていたバンドで、こいつとずっとやっていきたいと思っていたギタリストが卒業後、地元に帰っちゃったんですね。それで急に気持ちが冷めちゃって。あいつ以外とはやれへんなみたいな。

 

VATE:でも、わかります。その人とじゃないと描けない夢ってありますもんね。

 

そうそう!そうなんです。