1900年頃のバカラ

VATE:そんなに違ったんですか。

 

そうなんです。次にせっかくだからカクテル作ってもらいなさい、という事で作って頂いたのがホワイト・レディ。その時、初めてカクテルというものをちゃんと飲んだんですね。

 

VATE:それはどうだったんでしょう?

 

もうびっくりするほど美味しくて、なんだこれはって。自分でも当然作ったことがあるんですが、全く別物なんですね。

 

VATE:そんなに違うものなんですね。

 

これではいけないとお尻に火がついて、自分でひたすら練習しました。わからない時は、お店に行って作ってもらったり、おいしいシングルモルトを教えてもらったり。ひたすらお店に通って、カクテル飲んでは自分で作って、それの繰り返しでしたね。

 

VATE:実際に作り方を聞けるわけではありませんよね?

 

それは聞けません、さすがに。自分の口で味わってちゃんと覚えて、もちろん目で見えることはちゃんと見てますけど、暗いですからね(笑)。教えてもらうのであれば、ちゃんと門下に入らないと駄目だと思います。

 

VATE:シェイクとかも当然見ているわけですよね?

 

もちろんシェイクの仕方なんかはずっと見ているわけですよ。でも真似しようと思っても出来ないです。すごいシェイクされますから。

 

VATE:でも頑張って練習されていたんですよね?

 

自分はどういうシェイクが合ってるのか、6~7年は模索し続けてましたね。

 

VATE:八百屋の師匠との出会いで、お酒が変わっていったんですね。

 

そうですね。その方は美食家でもあるんです。本当に美味しいお店に連れていってもらって、一緒にフレンチのレストランに行って食べながら、これどう思う?って聞かれるんです。

 

VATE:どう思う?

 

ここがこういう理由で美味しいですね、とか、ここがこうでどうもおかしいですね、とかね。そしたら彼が、そうなんだよ!って。彼なりの答え合わせをしてたんですよ(笑)。