VATE:奥村さんのお話を聞いていると、こちらまで爽快な気分になってきますね。
僕がいつも思っているのは、「自分で決めよう」ということなんですよね。僕は自分の意志が先にあって、こうありたい、こうしたいと言うことでしないと、後で自分が嫌だと思うんですよね。
VATE:その通りですね。
だから自分でこうしたいと思ったら人のことはどうでも良くてね、人様の。どう見られるかとか、そんなこと。迷惑かけなかったらもう自分の思い通りにやろうと、いつも思ってるんですよね。で、それは自分で決めたことだから、どう返ってきても自分はそれで納得できるでしょう。
VATE:会社を解散されてからは、どういうことをされてるんですか?
ひとつは企業の仕事を少ししてます。それはもう、僕に合うと思う仕事だけで。それから絵本を作ったり、新しいフォントを作ったりしてますね。あとは教えるということがすごく面白いですね。
VATE:現在、京都大学でもデザインの授業をされているとか。
京都大学にグラフィックデザインを勉強するところがあるんですか。
僕のは全学オープンなんで、一回生から院生、誰でもいい。何学部でもいい。それで、2単位なんですよね。でも、ぴしっと30人がすごく熱心にやってますよ。
VATE:なるほど。
デザイナーを作ろうと思ってないんですよね。デザインというものをきっちり伝えたいと思ってます。
VATE:奥村さんがはじめて入社された会社で絵の具が綺麗だなあと思ったり、
道具が綺麗だなあと思ったりとか、そこからデザインに向き合って来られて今、
デザインするというのはどういうことだと思われますか?。
ある時から見えたんですけど、デザインというのはやはり情報伝達の技術なんですよね。だから伝達する内容がなかったら意味がないし、伝達する内容を如何に伝達する相手に正確に伝えるかっていうことをやってる技術だと思うんです。
日本のデザインというのは、たぶん図案に近く入ってきたんで、昔でいうと画家になれない人がデザイナーになったり、小説家になれない人がコピーライターになったりというような過去があると思うんですよ。今も少しあると思うんですけど。どこかそういう尻尾がね。
VATE:なるほど。
そうではなくて、伝達するための行為というところで、僕は今デザインを考えて、構築したり教育をしてるんで、そのことが面白いですよね。
だから、最初僕が思ったことと、だいぶ違うことをやってると思うんですけどね。だから逆に言うと、それであるから僕は、ある人たちに評価をしていただいてるんだと思いますね。
VATE:会社を解散されてからは、もう7年くらいたつということですが、今後の奥村さんの夢は?
もう十分やなと思ってますよね。もう次の夢が無いと言うとボケてるみたいだけど(笑)。でも充分っていうのはありますね。
最近は教える、ということの大切さを感じているから、そちらでも楽しんでいきたいと思っています。
VATE:今後も楽しいお話をお聞かせ下さい!お忙しいところをありがとうございました。