VATE:その世界に行かれてどうでしたか。
まずポスターカラーがいっぱいあるのを見て、綺麗やなあと思いましたね。知らない世界ですから。で、ディバイダーとか烏口とか、何と道具が美しいと思いましたよね。
VATE:道具ですか。
あとは先輩がやっぱり職人ですよね。その職人芸、それがすごいなと思いましたよね、最初は。
VATE:たとえば美しく文字を書くとか?
書くとか、綺麗に色を塗るとか。だから今のデザインとは別のものですよね。ま、図案の世界だと思いますからね。
VATE:ですが、作られてたのは、やっぱり広告だったんですよね?
いえ、その当時は包装紙のデザインだとか、下げ札のデザインだとか。そういうものをデザインをしてましたね。
VATE:なるほど。それからデザインに興味を持たれていったと?
たまたまその頃、日宣美というのがあったんです。大きなデザインコンペだったんですよね。デザイナーの登竜門みたいなもので。そこで準入選したんですよ。
VATE:ええ。
そして、展覧会を見に行ったんですよね。そしたら普段自分のやっていることと別世界だったんですよ。
VATE:別世界ですか。
ええ。デザインてすごいな、と思ったんです。もちろん、深くは分からなかったんですよ。でも自分がやってることじゃないデザインという世界があるなっていう風に思いましたね。
VATE:そもそも応募されたのはどういった理由なんですか?
結局何も知らなかったでしょ。デザインが。だから自分がやってることが、どんなものかも分からないですよね。
仕事としてはやってますけども。デザインという世界で僕が今やってることは、どんなものなのかっていうのを知りたかったんでしょうね。
VATE:それで展覧会を見られて、どう感じられたんですか?
デザインという世界っていうのは広い、なにか美しいものがあるなと感じましたね。