私たちが普段目にする企業のロゴマークや広告の数々。
なにげなく見ているだけですが、それらは私たちの行動に大きく影響を与えているはず。
今回は江崎グリコ株式会社をはじめ、数々の素晴らしいデザインを世に送り出してこられた、奥村さんにお話をお伺いしました。
VATE:奥村さんは、学生時代から将来はデザインのお仕事をしようと思われていたんですか?
いやいや、実はまったくそんなつもりはなくて。高校で商業科を出ただけなんですよ。大学は行かないで就職するつもりで、就職の求人簿を見てたら印刷会社の図案部から求人があって。
VATE:図案部ですか。
ええ。で、なんとなく面白そうで受けたんですよ。
VATE:それで採用された、と。
そうですね。
VATE:大学に進学されなかったのは、何か理由があるんですか?
単純にお金がなかった(笑)。なので、すぐに働こうと思ってました。だからデザインを始めたのは偶然ですよね。
採用されてないかったら、デザインやってないですから。
VATE:でもその求人に目が止まった、というのはやはり興味があったからではないんでしょうか。
何かの偶然があったんでしょうね。だから僕は美術とかデザインとかの学歴はゼロですよ。
VATE:会社に入られてからは、どんなことをされていましたか。
図案部というところに配属されて、その頃はポスターカラーを指で溶いて、文字書くのは面相筆っていう細ーい筆で溝引きでこうぴゅーっと線を引いたり、そんなことをしていましたね。