インテンショナリーズ  鄭 秀和さん
vol.29 2012.12.01
確信してものをつくる。
インテンショナリーズ
鄭 秀和さん

VATE:20年もやってるプロジェクトが一気に動いたんですね。

 

最初はプレゼンしても駄目だと思ってましたね。だって20年もやってるんですよ。もちろんローカルの人もいて、僕たちが入り込めるような状況ではなかったですから、びっくりしました。

 

VATE:今インテンショナリーズは第何期ですか?

 

15年経ったので、第6期になるのかな。2期で家電をやって、継続するために「REAL FLEET」という会社を創るのと、HOTEL CLASKAですよね。夢だったホテルをやって。そして今は世界から見た日本のポジションというか、インテンショナリーズのポジション作りに入っていく時期ということで、バリだったり、作品集を出したりしています。次は海外に拠点を持つことになると思います。

 

VATE:日本の素晴らしいところは、どこだと思われますか?

 

独自の文化っていうのもありますけど、やっぱり何に対しても「センス」だと思うんですよね。DJにしても細かく分析して物語を作るDJってやっぱり日本が一番じゃないですか。DJは「キュレーションアート」だと思うんですよ。少なくとも僕はそういうスタンスでやってました。日本人のセンスってデザインにしてもサービスに対しての繊細さとかもあると思うんですが、ただ今の日本の現状を考えると僕がやりたい事は日本ではちょっと難しいっていうのもあるんです。

 

VATE:いまやりたい事とは。

 

僕はずっと都市計画レベルで仕事をしたいと思ってるんです。

 

VATE:それは実現しそうですか?

 

インドネシアでデベロッパーをやろうと思ってます。日本だとインフラにしても、ある程度出来上がった中でやるという感じですが、インドネシアだと白地図から描けるんじゃないかと。ハードだけはなく、ソフトウェアも含めてプロジェクトを中心にいろんなものが発生するというようにしたいんですよ。バリではリゾートとしての実績も経験もありましたし、今度は都市型の仕事に関わっていきたい。たまたまご縁があってそういうパスを回している人たちの中に入れさせてもらっているので、デザインという形で白地図に絵を描くきっかけをもらい、そこに色んな物を投げていくという感じですね。インドネシアでは街づくり、仕組みづくりをやっていこうと。これって実は僕の卒業制作のテーマだったんですよ。

 

VATE:そうなんですか!あの理解されなかった時代の(笑)。

 

そうです(笑)。街がある時に突然出来ちゃって、それが経済的な事や、数々の思惑で形を変えながらいろんな様相になっていくという物語を作ったんですよね。その物語の2010何年に僕が登場するみたいな(笑)。それで僕がコンペに案を出すんですけどね。小説のようにつくったんですよ。だから、僕がいまやってる事というのは卒業制作をやっているみたいなものなんです。

 

VATE:学生時代にまったく理解されなかった事を、何十年かたった今、世界で実現されているんですね。

 

それは多分、その時々で様相を変えながら、でもずっと考えたんですね。色々なところにいながら、実はどこにもいないという。それはこれからも変わらないと思います。

 

VATE:今日はとても楽しいお話をありがとうございました。プロジェクトのこれからを楽しみにしています!