VATE:プロダクトをデザインするだけではない部分も相当考えられていますね。
そうですね。本当は商品の箱が二次利用できて、そのまま棚というかディスプレイ台にもなるように提案しました。それをエコ素材で。一個いくらでできるとか、そこまでプレゼンしたんですよ。
VATE:商品に関わる周り全てですね。
誰に教わったわけではないのですが、プレゼンをする時は全包囲です。それはやっぱりDJをやっていてすごく役に立ちましたね。
VATE:それはDJと関係するんですか?
DJってプレゼンしてるようなものなんです。毎週200人くらいを前に空気読んで、1時間後とかを読んでるわけですよ。最初はまったりしてる場合もあるじゃないですか。その人を踊らせるとか、今度はこっちでいちゃついてる人を踊らせるとか。
VATE:なるほど。
言葉で煽るわけでもなく、かといってヒット曲ばかりをかけるわけでもなく、自分の物語の作り方みたいなのをやっているのがすごく練習になりましたね。それでプレゼンは全包囲だろうというのは常にありましたね。
VATE:建築のこともお聞きしたいのですが、プロダクトから少しずつ建築というのが増えていったんですか?
プロダクトのデザインで先に有名になったことで、弊害というのはありました。建築はやらないでしょ?みたいなね。なので、本当にちょっとずつですね。ただ全て建物のデザインだけだと辛いんじゃないか、というのはありましたね。インテリア、プロダクト、建築でバランスよくという風に考えていました。
VATE:それはなぜですか?
経営面でもインテリアはやっぱりキャッシュフローなんですよね。プロダクトはロイヤリティですが、建築は長過ぎてボーナスみたいな(笑)。
VATE:鄭さんは経営者でもあるんですね。
やっぱり色んなことにチャレンジするのにお金がかかるじゃないですか。物を作る、コンペに参加する、全てにおいてね。なので建築だけだと自分の中でビジネスモデルが組み立てづらいというのは正直ありましたね。
VATE:経営者的な判断としてバランスをとるという事ですね。
両方ですよね。クリエイターもしくは会社の付加価値としてはプロダクトから建築までというのは、どこもやっていないという自負があったので。最初に言ってたように、両極端で常に考えてました。