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台湾 プロジェクト

VATE:花見季という飲食店も一時期されていましたが?

 

そうですね。でも別に飲食店のオーナーになりたかったわけではなくて、まずオーナーになってみよう。人の金でデザインを語るなと(笑)。自分の好きな物をやってみよう、自分の好きな物はなんだろうと考えてみよう、という感じです。それ以外にも会社の福利厚生的な場所だとか、ショールームだとか色々テーマがありました。リゾートをやりたい、と思っていたのでそのための第一歩という意味あいもありましたね。

 

VATE:リゾートですか。

 

ずっとやりたいと思ってたんですよ。それで2000年に初めてバリに行くんですけど、その時は水にあたってもう二度とくるかと思ってたんです。でも最終的に35歳くらいの時に、やっぱりやりたいなと。それで土地を探すんですね。ウブドで土地を探すんですけど、とにかく一番大絶景のところ。それで一発目に見たところがすごく良くて、インフラの問題だとか、道路の問題だとかを全部クリアできてたので、あとはもうオーナーに交渉したんですけど、全然駄目だったんですよね。

 

VATE:それでどうされたんですか?

 

そうこうしてるうちに、ある人に紹介されて別の場所にヴィラを建てることになったんですよね。それを我々のショールーム第一号にすべきだと。

 

VATE:なるほど。バリに自分たちのショールームがある、と。

 

そうなんですよ。それで他の人にも、現地に行ってみてもらったりしてるうちに、数件やることになっていったという感じかな。やっぱり資料だけじゃわからないんですよ。実際に行って見てもらう。それでやっとピンと来ると思うんですよね。バリのプロジェクトは海外なので大変な部分もありますけど、おおらかで楽しいですね。

 

VATE:いま手掛けられているプロジェクトは建築が多いんですか?

 

建築に限らずいろいろやってますね。建築でいうと、台湾の74万平米あるプロジェクト、総面積でいうとミッドタウンと同じくらいかな。これは着工しましたね。

 

VATE:巨大な規模ですね。

 

たまたまクライアントを紹介されたんですね。その時は100坪くらいのラウンジだかを作るから、それのプレゼンをして欲しいという事だったんですが、僕は全体としての大層なプレゼンしたんです。すると社長さんがもうちょっと詳しく話しを聞きたいと。仮に建物も考えるとしたら、どういう考えが出来るのかと。

 

VATE:すごく琴線に響いたんですね。

 

20年くらいずっと続いてるプロジェクトなんですよ。この建物のためにインフラを通したりだとか、その間に市の条例が変わちゃってとか。その周りに住宅作ったりとかね。当時、彼も自分の会社のアイデンティティがどこにあるのか考えていた時期だったみたいで。

 

VATE:それで再度プレゼンされたんですか?

 

そうですね。プレゼンにあたっては彼の生い立ちであったり、ルーツである漢民族のことであったり、色々と話を聞く中で紐解いていったんですね。中国の陰陽説が世界を巡って今の台湾ではコンピュータが産業になっているという事であったり。様々な話をする中で、デザインのコンセプトを二進法に決めて提案したんです。それにすごく感動してくれて、一気にプロジェクトが進む事になったんですね。