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バリ プロジェクト

VATE:オランダのFRAMEから作品集が出ていますね。

 

いろんな企画があったみたいなんですが、やはりプロダクトをやっていて、インテリアにそれが入り、インテリアがさらに建築に入るというのが意外とないのでは、というところからスムーズに決まって。すごく東京的というか日本的だねというのが彼らのコメントでした。彼らの中でのイメージがあるんでしょうね。

 

VATE:作品集というのはなぜ出版されたんですか?

 

建物はやはり場所が支配するから、持ってこれないわけですよ。我々が銀座の一等地に何かを造れるかと言ったら、なかなか造れないじゃないですか。ランドマークになる事ってどういうことだろうと。携帯とかコンビニとかそういうのも一つじゃないか、と思うようになって。寄っていくっていうかね。建築の場所性を否定するのではなく、そうじゃなくても成り立つ建築行為というのは何だろうかと常々考えてましたね。

 

VATE:なるほど。

 

コミュニケーションの仕方はそこからまたすごく考えるようになりました。よくよく建築というものを考えると、二次元を三次元風に見せたり、スケールが100分の1だったり、模型も小さいのであり得ない目線で鳥瞰から見るじゃないですか。そういうあり得ないコミュニケーションの仕方で大きい予算が動く、という事をやらなきゃいけない。そこでのコミュニケーションはどうあるべきかというのは、すごく考えるようになりましたね。もちろんコンセプトが大事ですから、常に一言は大げさかもしれないけど、この建物はこういう物なんだとか、このプロジェクトはこういうことですと明快に言えるようにというのは考えていましたね。

 

VATE:インテンショナリーズという名前は「確信して物を作る」という意味とお聞きしましたが、今もそれは変わらないですか。

 

そうですね。ただ今だったら違う名前をつけていたかも知れません。『インテンショナリーズ』という言葉には強烈なバッサリいくようなイメージがどうしてもありますから。

 

VATE:そうですね。

 

僕は空間の調和とか言ってますから(笑)。痕跡が見えないように調和しなきゃ駄目なんだみたいなこと言ってるので。

 

VATE:それもひっくり返すとインテンションですよね。

 

強烈であることの存在理由が、強烈じゃないという、料理で言うと味に角がないというか。出汁みたいなね。そういう事かなと。FRAMEの彼らが見たのはそういう事だったのかも知れませんね。

 

VATE:FRAMEのタイトルも良かったですね。

 

彼らが評した適切な表現でしたね。彼らが決めたんですよ、『SHAPING JAPAN AND BEYOND』って。