VATE:実際にブラジルいってどうでした?

 

よかったですね。こういう人たちがこういう音楽をつくるんだっていうのがわかりました。

 

VATE:なぜブラジルからそういう音楽が生まれるんでしょうか。

 

多分ね、まぁまぁ真面目なんですよね。パーっとしてるようだけど、真面目なんですよ。譜面とかちゃんと管理してるし、部屋もきれいだし(笑)。

 

VATE:そうなんですか。

 

歌とか聞いてても思うんですけど、音程もけっこう細かくしてるんですよ。すごい適当なイメージがあるんだけど、そういうところはちゃんとしてる。ある部分ではものすごく真面目でしたね。

 

VATE:他には?

 

説明するのが好きですよね。この料理は何か?って聞いたら、わかるわけないのに延々と説明するし。でも説明できるってことは理解してるってことだから、そういう部分の脳はすごく発達してるんじゃないかと。

まとめたり、整理したり。理屈だてたり。そういうのが割と得意なんじゃないかと思うんです。

 

VATE:それってでもボサノヴァの音楽性と関係あるんですか?

 

割とね、パターンとか言うんですよ。最終的にはパターンなんかないんですけど。

ボサノヴァの中では弾き方にいろいろパターンがあるんですけど、そういうパターンのことをを評価する、みたいなところがありますね。

 

VATE:というのは?

 

このパターンを発明して、このパターンをひっさげてジョアン・ジルベルトがあらわれた。みたいなことで。 そういう見方ができるんですね。メロディの作り方とかも理論だてて考えられてるというか、左脳でも音楽が作れるっていうか。

 

VATE:左脳ですか。

 

でも右脳の基本はあるから、だからあんな音楽になったんじゃないかと思いますね。 音楽は楽しいっていうけど、そういう基本を真面目にやってるというのがいいんですよね。そういうところに共感しました。

 

VATE:何となくわかる気がします。

 

サウダージという言葉があって、それがキーワードのような気がしますね。郷愁というか、絶望とかではないんですけど、そういう「切ないという感覚」を考える、みたいなところがありますね。そういうのを考えるのってパッパラパーではできないし、そういうところと真剣に向き合ってる、というのがいいと思いましたね。

 

VATE:馬場さんが好きな、目指しているミュージシャンとかっているんですか?

 

音楽的にはもういっぱいいすぎてわからないです。全員好きといってもいいぐらい。

ただ、こうなりたいミュージシャンっていうのは無くて、自分を作っていきたいという感じです。強いていえばジョン・マクラフリンとかかなあ。