抽象的な概念を定式化する。

VATE:パンクをやっていて、ジャズに惹かれたのってなぜでしょう。

 

やっぱアドリブじゃないですかね。パンクのためにアドリブを覚える、みたいな感じです。なので、特にジャズがやりたかったわけではないんですよ。

 

VATE:最初に誰のレコードを聴いたんですか?

 

最初はパット・マルティーノです。ウェスとかジョー・パスとかは全然聞いてなかった。

 

VATE:では大学時代は音楽ばかりやっていたんですか?

 

いえ、勉強も好きだったからやってましたよ。

 

VATE:主になにを学ばれていたんですか?

 

宇宙物理学とかですね。相対性理論とか、量子力学とか。

 

VATE:実は私もそういうの好きで、ホーキング先生の本とか読んでるんですよ。

量子力学とかってとても神秘的ですもんね。

 

そうなんですよ。実際に計算とかしてみるともっとよくわかって、数学が絡んでくるし、もっとおもしろい。抽象的な概念を定式化するみたいなことが格好よくて。

 

VATE:なるほど。

 

シュレディンガー方程式 っていうのがあるんですけど、本当にちゃんと計算しようと思ったら、めっちゃ長いんですよ。

すごい難しくて。でもそれ以前にある第一原理みたいなのは本当に短くて、けどそこからはじまって、いろんなものが出てくるっていう。

 

VATE:そういうところに興味を持ったわけですね。

 

そうなんです。でも、それに到達する前は現象ばかりみて、その共通性を集めて考えてるわけです。で、やっとそこに辿り着くっていう。そういう部分に興味を持ったんですよ。

 

VATE:うーん、なるほどね。

 

すごく難しい方程式を解いてる間でも、かけ算とか割り算とか数学のテクニックがあるんですけど、そういうかけ算とかですら、ものすごく奥が深い。

 

VATE:音楽にも共通のものがある?

 

そうですね。アドリブの方法とかそういうものにも感じますね。

音楽にしても、そういうのを続けて、真理というか第一原理に到達したい、みたいな感じかなと。それとあわせて最先端の知識も知っておきたい、みたいな事で。それで今もやってるような気がしますね。