普段なにげなく身につける服にもいろんな想いがこめられているはずですよね。
今回はマテリアルから生み出す様々なプロダクトをてがけておられるマテリアリズムの伊豆藏さんにお話を伺いました。
VATE:伊豆蔵さんは学生時代、将来は何になろうと考えられていましたか?
実家が染織の商いをしてまして、家業の「跡継ぎ」になろうと考えていました。染織の仕事というよりも、むしろ「家業」という意識の方が強かったです。
VATE:跡を継ぐことに抵抗はなかったですか?
なかったです。家業を継ぐ、というのは小学生の頃から考えていました。周囲も僕が家業である染織の仕事を繋ぐのを望んでいました。祖母や父からは、「お前は跡取りなんだ」という意味のことを、よく言われました。
VATE:「跡をつぐための勉強」をされていましたか?
勉強というより、手伝うことから入ってました。小学6年までは職住一体でしたから、幼い頃は仕事場が僕の遊び場みたいなものでした。
VATE:幼い頃は仕事をどのようにご覧になってましたか?
子供であった僕の目には、大人のやっている仕事が、とても魅力的に映ったんです 。大人が仕事をしている横で、僕も一緒になって「仕事」をしているつもりでした。仕事の真似事をするのが、僕にとっての遊びだったんですね。
VATE:それはかわいいですね。
大人は邪魔で仕方なかったと思いますけど(笑)。中学からは仕事場と離れて暮らしていたんですが、高校3年の夏休みに草木染のアルバイトをさせてもらいました。小遣い稼ぎが目的でしたが、やってみると結構楽しくて。会社としても、実用化にむけて研究途上の染色法だったので、職人さん達と一緒に試行錯誤しながら、やってました。