VATE:一体なにがすごかったんでしょう?
とにかくリズムやね。俺がナンボやっても、あんな風に出来ないリズムがあった。黒人と一緒にバンドやったりしたけど、テクニック的には全然ヘタ。でもリズムだけは本当にキョーレツ。テクニックでは勝ってたけど、グルーヴで全然負けてた。それが何故か全然わからなかったけどね。なんでやろ、なんでやろって。そこから試行錯誤の日々がはじまったって感じかなあ。
VATE:そんなに悩まれたんですか。
ムチャムチャ悩んだな。下手やのにすごい(笑)。うまかったらまだ努力のしようもあるけど、下手やのに格好いい。どういうことやねんって。30年たった今でも悩んでるけどね。未だに答えを見つけたっていうところまで至ってないな。なんとなくこうかな、っていう自分なりの解釈はあるけどね。
VATE:じゃあもう中学の時からいままでずっと音楽のことを中心に考えられてたんですね。
他に選択肢みたいのは考えなかったんですか。
武道を4歳の時からやってた、というかやらされててずっと続けてたから武道で行くか、音楽で行くかっていう風に考えた時はあったね。人に「よく音楽やりながら格闘技やりますね。」なんて言われるけど音楽ってのは後からはじめた事で、武道の方が先。4歳からず~っとやから、もう武道は自分の飯を食ったりするのと同じように生活のサイクルになってしまってたね。
VATE:そんな早くから格闘技をやられてたんですね。
そう。中学の時には警察の道場に行って教えてたからね。だから中学ぐらいの時はどっちで行くかって迷ったな。武道に関しては今の空手に至るまで、いろんなモノを試したな。実際に自分で体感しないと何が強いか、わからんからね。中学の時は剣道とかでそこそこ成績を収めてたから、高校からスカウトが来たりしてた。でもそれを蹴って、音楽に進む事にきめたわけ。
VATE:なにが決定打になったんですか?
それはやっぱりジョン・レノンみたいな生き方をしたいっていう事に尽きるね。自分がジョン・レノンみたいになりたいわけじゃなくて、ああいう生き方をしたいっていうか。まぁ格闘技の方は実戦でやろうと(笑)。