VATE:1度決めたら他はもう見ないようにするんですね。
そうですね。生き方としては決めてます。物とかだと、他のものも欲しいなみたいなことがあったりしますけど、早く決めた分だけリードタイムが稼げるなと思うので、あまりあれこれ他の道を探ったりはしなかったのかもしれません。
VATE:博報堂に入られてCMプランナーにはなれなかったけれどもコピーライターにはなれて、仕事は思い描いてるような感じだったんですか。
仕事は全然地獄というか、懲役刑みたいな気分というか(笑)。ハードな仕事だとは聞いていたが、こんなに大変だとは思ってなかったというか。もう、ブラックすぎて透明に見えるっていう感じだったんで。(笑)。とんでもないとこに入っちゃったなって。
VATE:新卒でいきなりそんな大変なんですか。
いきなり地獄でしたね。研修期間中は天国だったんですけど、いざ配属されちゃうともうその日から帰れませんみたいな。当時はね。もう朝、始発で一回家に帰って着替えて、またすぐ会社に戻るっていう。終電で帰れればラッキーみたいな感じが永遠と続いたので。
VATE:それは大変ですね。
何か正常じゃなくなっていくっていうかね。友だちとも会えなくなるし、体もおかしなことになるし。
VATE:とはいえ、新卒で出来る事ってあまり無いじゃないですか。具体的にどういう事をされていたんでしょうか。
打ち合わせに座ってるという感じですよね。そこにいる事が仕事というか。先輩達がずっと考えているので、横で自分も手を動かさないとね、怒られるから。コピーの真似事をしても完全に無視されて、そもそも夜中の2時3時とかまで考えるっていうね、体力も気力も持ってないから。途中からもうなんだかよくわかんない状態になって、気が付くと朝みたいな。そういうのが何年間か続きましたね。
VATE:実際博報堂には何年ぐらいおられたんですか。
6年半ですね。
VATE:在籍中はずっとそんな感じだったんですか。
そうですね。途中からは自分で仕事を動かせたりとか、面白味みたいなことも出てくるので、ずっと辛いということはなかったですけど。でもやはり、時間軸とか体力のパターンみたいなことは変わらず。ここにいたら本当に死ぬのではって結構リアルに思っていたというか。実際、病気で倒れたこともありましたし、ずっとここにいるのは嫌だな思ってましたね。