作品から

VATE:カナダの学校を卒業後はインターンシップやトロントスター社で

実際に働かれたわけですが、そこで学ばれたことはなんですか?

 

卒業後、インターンや実際の現場で学んだことは、限られた時間内に極度のプレッシャーのもと、どうしたら読者の目をその記事に呼び込めるような写真を撮ることができるか、という思考プロセスでした。

 

VATE:具体的には、どういったことなんでしょう。

 

アサインメントデスクからその日、自分に割り当てられた撮影依頼を手にした瞬間から、果たして何がこのニュースを伝えるのに必要な要素であるか?を考え、撮影現場到着までにある程度の方向性と幾つかの撮影アイデアを用意する。これが一番目です。

 

VATE:二番目は?

 

現場に着いたら、すぐに自分の撮影に与えられる持ち時間を概算します。仕事によっては、2,3分ぐらいしか撮影させてもらえないこともあるんですよ。

 

VATE:2~3分とは短いですね。三番目は?

 

与えられた持ち時間内で、果たして自分にどれだけのことが出来るか?を瞬時に見積もった上で、具体的な撮影計画を頭の中で練り、それに応じて撮影を開始する。ここに費やす時間はだいたい5分ぐらいがアベレージです。以上の3つがプロとしてスタートしてから経験を通して学んだ自分なりの撮影プロセスです。

 

VATE:その後、なぜフリーランスになられたんでしょうか?

 

トロントスター社との契約が切れたからです。ただ、今から思うとフリーになったのは、自分をさらに成長させるという意味で本当にプラスになったと思います。

 

VATE:と、いいますと?

 

一つ一つの撮影に掛かるプレッシャーの度合いが、スタッフとして働いていた頃とは比べ物にならないほど大きく、様々な現場を潜り抜けていくことによって、多くのことを学ぶことができたからです。また、写真に関することだけでなく、新たなクライアントの開拓や、撮影依頼時の値段交渉、税金の事など、ビジネスに関する分野の勉強もすることができました。