ずっとくすぶっていた私に、歌う事が許された。

VATE:バンドをしよう!とかは考えなかったんですか?

 

バンドもやりたいと思ってたし、その頃ちょうど日本はバンドブームでしたけど私が聞いていた音楽とはまったく違っていて、出る幕はありませんでした。ずっとピアノを習っていたから、キーボードでも弾ければなぁとその時もヴォーカルは不思議に考えていませんでした。

 

VATE:でも歌うことはお好きだったんですよね?

実際に歌を歌おうと思われたのはいつからなんですか?

 

歌う事は好きでしたよ。でも、ただ純粋に歌うのって楽しいなぁと感じていただけでした。大学の軽音サークルに入っても、まだ私は歌いたい気持ちに気付いてませんでした。先輩のビートルズのコピーバンドに入ってハモリをやっていたんですが、私があまり楽しそうに歌うのでキーの高い曲は、私が歌う事になったんです。

 

VATE:ははは。よっぽど楽しそうだったんでしょうね。

 

そうです。その時にやっと気付いたんですね、『歌いたい!』って。メンバーも喜んでくれて『私、歌ってもいいんだ!』と思いました。『どうしたら音楽と一緒に生きていけるだろうか』とずっとくすぶっていた私に、歌う事が許されたわけです。

大げさかもしれませんが、私にとっては本当に最強の『救い』でした。

 

VATE:では実際に歌い出されたのは大学になってからだったわけですね。

歌い始められてから、どうでしたか?もう嬉しくて仕方ないって感じだったんでしょうか?

 

当初は歌うだけで幸せだったような気がします。歌う事で周りのみんなとコミュニケーションを取れるのが、何より楽しかったです。歌を聞いてくれた人が色んな感想を持ってくれて、そしてそれを拍手やら、かけ声やら、言葉にして伝えてくれるんです、嬉しかった。