歌うこと。これってどういうコトなんでしょう。あるライブを見にいった時、サム・クックの『You Send Me』をステージ上で歌う女性の姿にしばし、引き込まれました。
今回はヴォーカリスト、酒井ちふみさんにお話をお伺いしました。
VATE:酒井さんが音楽を意識しはじめたのはいつ頃ですか?
中学の音楽の先生にビートルズの『LET IT BE』を聞かせてもらった時からです。 すぐに父にお願いして、ビートルズのレコードを買ってもらいました。それまでピアノを習っていたり、合唱や音楽の授業もたしかに楽しんでやっていましたが、特別なものではありませんでした。ビートルズは、明らかに特別でした。友達みんなでレコードを貸しあってFM番組をチェックして、どんどん洋楽を聴き漁るようになりました。
VATE:ビートルズが特別だった理由ってなんだったんでしょう?
う~ん、正直今でもわかりません。ただ、心が動いたとしか言い様がないです。そして同時代に私のような人が世界中に沢山いて、彼等の音楽と一緒に時代も人間も変化し続け、影響しあったという事実に、本当に共感しました。
VATE:そんなにも感動されたんですね。
どうして私は彼等と同時代を生きれなかったのだろうと真剣に悔やんだりもしましたね。何もかもを取り込んでしまう彼等の音楽への貪欲さや情熱は私には強烈でした。そしてそれは音楽への憧れへと形を変えていきました。
VATE:中学の時から将来は音楽に関わる仕事をしようと思われていたんですか?
ずっと音楽のそばにいて、音楽を楽しむ人たちの為に何か出来たらなんて素敵だろうと憧れていました。でも具体的にそれがどんな仕事かは決められず、音楽ライターやコンサートのスタッフなんかを思い描いたりしてました。