VATE:そして実際に情報誌を発行されることに漕ぎ着けられたわけですが、やはり反響というのは大きかったですか。
そうですね。やはり読者からはいろんな反響がありました。僕が想定してるよりも、もっと根っこのところでの反響が大きかったですね。孤独感や不安感、そしてそれを解消するコミュニティを持たない恐怖、みたいなものですか。そういうのが強いなぁと思いました。
VATE:反応があったのはどういう人々ですか?
僕は会社や組織にいるんだけど、自分らしくないとか元気がない人からの反応が多いと思ってました。でもいま組織にいる人はコミュニティを持っているような気になっているのか、あまりビビッドな反応はなかった。やはりビビッドに反応したのはSOHOやなんかでやってる独立心の高い人たちでした。次号はちょっとそういうところも考えて作っていきたいです。
VATE:サラリーマンの方はあまり不安を持っていないと?
そういうわけではありません。もちろん不安は沢山持ってます。でも何となく不安、っていう方が多いんじゃないでしょうか。自分が本当はどうしたいんだ、とかいうところを真剣に考えないまま、何となくの不安を抱えつつ、会社に残るという決定をしている。でもそれは決定ではあっても、決断じゃないんです。サラリーマンであることにもリスクはあるんです。それをしっかり見ないと。
VATE:この本では沢山の挫折や失敗といったものも取り上げられていて、ずいぶん異色だなぁと思うのですが。
情報誌とかの悪いところは成功例ばっかりが載っているところだと思います。でも実際は失敗する人の方が圧倒的に多いわけですよね。そこがあまりにも取り上げられていない。そしてそこで悩んでいる人たちのためになっていないと思うんです。
ですから、私たちの情報誌は決してかっこいい話が載っているわけではありません。しかし、そういう話を読んで、いろんな事に気付いて欲しい。「気づき」というものを大切にしています。