VATE:なるほど,管理職は肌に合わなかったと?
そうですね。僕もけっこう大きな規模のことやりましたけど、管理職という立場で自分たちのプランを人がいっせいに動いて、結果を出していく様というのを見ていても面白くなかった。やはりクライアントと喧嘩しながらでも、現場でやっている時の方がおもしろかったですね。
VATE:リクルートではフレックス定年制度っていうのがあるんですよね。
そうですね。僕も39歳で定年退職したんですよ。リクルートではキープヤングってことで、そこを目指してみんなやってましたね。でもボク自身は辞めるつもりはなかったんですよ。本当の定年までやろうと思ってました。ちょうどその頃、上司との衝突なんかの過程で「俺はサラリーマンだったんだ」と気付かされた。そして会社も大変革の時でしてね。
VATE:なるほど。で、どうされたんですか?
辞めました。フレックス定年制度を利用して早期退職したんです。会社でも家庭でも責任がどんどん重くなってくるこの時期に、やはり主体的に生きていくためには辞めるという決断をすることが大切だと思いました。今しかないとも思いましたしね。
VATE:辞めないっていう選択肢は考えられませんでしたか?
そりゃ、子会社に役員ポストを狙って行くとかっていう話もありましたよ。でも代理店部みたいなところで、いろいろな子会社の社長を見てるわけですよ。子会社の社長もやっぱりサラリーマンで、親会社の評価をいつも気にせざるを得ないんですね。それがわかっていたんです。
VATE:で、実際に辞められたわけですがその時、次はどうしようと考えておられましたか?
辞めるという決断をした時に30歳~40歳の働く人たちのための情報誌を作るっていう構想が浮かんでたんです。