VATE:それはどういうことですか。
やはり僕が30歳だったころと、いまの30歳は全然違うんですよ。環境が違いすぎるんです。それに気付いた。だから、これは性根を入れてやらないと本当に役に立つものにはならないな、と思ったんです。
VATE:どういうところが違うんでしょうか。
僕たちの30歳のころは、この先こう頑張れば、こうなるみたいなものがわかってたんです。ハッキリとした灯台の光りが見えてたんです。でも今の30歳にはぼんやりとした薄い光りが7つも8つもあちこちにあるだけ。「これからは起業がいいですよ」とか「いやSOHOですよ」とか。「いやいや、派遣ですよ」とか「NPOですよ」「業務委託型独立ですよ」とかね。そういうことが大した成功事例もないままに語られている。
VATE:会社員でいいって言う人もいますよね。
もちろん。でも「会社にずっといればいいんだ。」って言う人も元気がなかったりするんですよ。収入がすごく良くても全然輝いてない、とかね。周りの世代も自分のことで精一杯だから、相談にものってくれない。誰にも聞けないみたいな状況なんですよ、いまの30歳は。
VATE:なるほど。
でも、それはもうラッキーと思うしかない。逆にチャンスがあるんだ、とね。
VATE:宮崎さんが作られた情報誌は「京都の30歳!」と名付けられたわけですが、なぜ京都に限定されたんですか。
理由は3つ。「京都が好きだから」「関西や全国に展開するほどの資本がないから」「コミュニティを作りたいから」です。せっかく京都のような凝縮された狭いところにいるんだから、フェイストゥフェイスの濃密なコミュニティを作りたい。あと敢えて言うとしたら、大手もこの辺りの世代にターゲットを向けてくるのはわかってましたから、京都だけは押さえさせてもらおう、と(笑)。