VATE:会社の方針と宮崎さんのやりたいことっていうのも一緒だったんですか?
当時はそういうのを奨励してましたから、一緒だったといえばそうかもしれません。でもやはり会社も変わって行くんですよ。だんだんと収益率というものに重点を置くようになってきた。収益率を上げようと思うとパターン化しないとダメなんですよね。で、そういう働きをする営業活動は評価するけど、それ以外はしない、なんて言い出すわけです。
VATE:なるほど。
学生の立場に立ち、企業の立場に立ち、その中で自由にプランを考えて喜んでもらえるようにしていたんです。僕はね。それが会社の意志というものが強くなってきた。お客さんには喜んでもらえて結果も出していたけど、評価が低いというような状況になったりもしましたね。
VATE:自分のやりたい事と会社の方針にギャップが出てきたわけですね。
そうですね。もちろんそれは仕方ないことです。
ですが現場の声っていうものが少しずつ経営に届きにくくなってきたという風には感じてました。
VATE:宮崎さんはその後どんどん出世されて、社内研究機関であるヒューマンリソースマネジメント室に選抜されますが。
そうですね。働く人のモチベーションについて研究していました。やる気の源泉っていうんですかね、根本みたいなものの研究などです。
VATE:その後代理店などにも出向されますよね。
ええ。代理店なんかへの出向ですね。僕が出向して、そこの社員たちにリクルートの年収1,000万を越える社員たちと同じ様なマネジメントをしていくわけです。そこの社員は年収にしてみたら半分ぐらいのものですから、もちろんすごい反発があったり、衝突があったりするんですが、実はそこの社員たちももっと真剣に仕事したいと思ってるわけなんです。仕事にやり甲斐や意味を見いだしていきたい。僕が行くまではそこが抜け落ちてたんですよね。だから仕事後のバカ騒ぎなんかに重点を置いたりしちゃう。