VATE:その後、バレエ団に入られるわけですが、
入団当初はバレエに対してはどんなお気持ちだったんでしょう?
上のクラスに抜擢されて入団出来た時は、それまで自分が積み重ねてきたことを裏付けてもらえたようで、嬉しかったですね。あの頃はまだバレエ団という組織を理解していなかったので、バレエが好きな気持ちだけで何もかも乗り切れるような気がしていました。
VATE:バレエ団ではどんな活動をされていましたか?
最初はコールド(群舞)として踊ることが多かったのですが、ヨーロッパ各国の歴史ある劇場で踊り、海外の振付家からメイン・キャストに選んで頂くようになった上り坂の頃、両足の甲に疲労骨折をして休団を余儀なくされました。
VATE:怪我は大丈夫だったんですか?
初めての大きな怪我にどう向き合ったらいいのか分からず、自分の踊りにも自信がなくなりました。それでも復帰後、同じ場所から違う自分で出直してみようと思い、今度はバレエ団の求めるダンサー像を追ってみましたが、かえってそれが自分を見失う結果に繋がってしまいました。
VATE:バレエ団の求めるダンサー像とはどんなものなんですか?
そしてそれが自分を見失うきっかけになってしまったのは何故なんでしょう?
そのカンパニーは、特にバレエ団のカラーを大切にしていました。だから、そのカラーに自分の個性が合わないと気付いた時点で、自分自身を生かせる場所を探し始めるべきでした。一度自分の軸を失うと、舞台上で楽しむことができなくなりますから。
VATE:そしてバレエ団を退団されるわけですが、その後どうされたんですか?
退団後は気持ちを切替える為にニューヨークへ渡りました。その後の恩師となるサイモン先生との出逢いがあり、アメリカで踊ることを考えるようになりました。