小学校2年生当時

VATE:固定観念をくつがえされた、というのは具体的にどういう事でしょう?

 

それまでの私は、バレエをしていることで無意識に“決まり”を築いていました。だから、バレエをしている友達が普通の学生と同じように行動して、なお、バレエの時間はそれがすべてのように向き合う姿にも、最初は驚きました。

 

VATE:なるほど。親元から離れて生活し、バレエと向き合われて如何でしたか?

バレエ以外のことに興味が高じたり、バレエを辞めたいなどと思われなかったですか?

 

地方だったのでバレエに集中しやすい環境でしたが、何よりもみんなが競い合っている姿に影響を受けました。練習をすればするほど、踊りが身体に馴染んでいく感覚を楽しく思いました。時々、いたずらっ子のようにみんなでバレエ以外の事もしましたが、先生もよく見張っていましたね。その分、先生が私達に息を抜く場を与えてくれたこともありました。

 

VATE:バレエを楽しまれていたんですね。

高校を卒業後はどうされたんですか?大学に進学を?

 

何かを本気で極めようとするなら、的は一つに絞っておいた方がいいと思いました。考古学や人類学にも興味があったので大学進学について半年間考えていましたが、その期間を経て生まれて初めて、他の選択肢もある生き方の中から、自分の考えでバレエを選びました。

 

VATE:その時にはじめて自分の考えでバレエを選択されたんですね。

高校卒業後はもっとバレエに集中できる環境に移られたわけですよね。どういったところに移られたんですか?

 

東京の信頼を寄せる先生のもとで、文化庁の国内インターン・シップを頂きながら、基礎に目を向けて2年間学びました。

 

VATE:先生はどのように指導されたんでしょう?

 

先生は私の可能性を引き出そうと、いつも私の資質に見合った作品を選んで、スタジオ・パフォーマンスで踊る機会を与えて下さいました。バレエを通して、その存在感や生き方にとても憧れました。