VATE:ところで大塚さんは音楽で大金稼ぐで~っとは考えてないんですか?
実際、生活するにはお金がいりますけど…。
ミュージシャンであることに不安を感じたりっていうことはないですか?
まさにそこは難しい現実問題。霞食って生きてく訳にはいきませんからね。
でもね、ちょっと前までは儲けたいとか、そういう野心が先走ってあったんですが、今は死なない程度にお金がまわって、自分が幸せで、人も幸せになったら、それはすごいいい人生やなあ、と思うんですよ。お金が入るとしても、そういうのは自分がちゃんとした生き方できるようになって、その後でついてくるものでしょう。おまけ特典みたいな。そんな気がしますけどね。
VATE:大塚さんはお休みの時とかどう過ごされてるんですか?ご趣味は?
趣味も音楽。てこともないですが、休みの日は練習してるかも。こういう仕事なので、仕事と休みの線引きが難しいです。
あと、時間のあるときは一から丁寧な料理を作るのが好きです。豆煮たり。
VATE:ま・・豆?。
食べるのも好きなんですが、作る工程が好きなんです。気持ちがしゃっきりしますでしょ。友達とお茶しにいったりもします。最近は時間をとられるのでやらないですが、手芸も好きです。散歩もしますね。植物や花見たり、新しい店を見つけたり。
寺や神社に行くのも好きなんですよ。良い仏像とか、すごくグッときます。京都はそういうものを見るのに、とても恵まれた環境にありますもんね。
VATE:お気に入りのお寺はあります?
近行った中では醍醐寺の不動さんがよかったです。裏山の上の方にあって、一時間以上歩いて登るんですけど、坂もきついし、もうへろへろ。中高年の方のほうがさっさと登っていかれる。登ってる間、降りてくる人たちとすれちがう度あいさつしてると、だんだん気持ちが洗われるように心地よくなってきて、で、ゴール地点にグッとくる不動さんがいはるんです。すべてセットで美しいです。ありがとう、てなります。言葉にするとうすっぺらくなってしまいますが。
あと学生の頃は授業の合間にたまに竜安寺に行きました。庭をみながらぼーっとしているの、楽しかったです。
VATE:ジャズというのはアメリカ発祥の音楽ですが、
日本人である自分がその音楽に取り組むときに意識することはありますか?
それも大変難しい問題ですね。音楽はその国の言語とや歴史と強く結びついている気がするので、実際その言葉を話し、その国に生きない日本人はどうしたらいいのか、とも思います。しかし理想を追いすぎても、現実にそぐわないということがよくあります。ジャズとは、こうあったほうがいいだろうということを学びつつも、そうでなくても音楽は楽しめる、演奏者同士で楽しくできるポイントを探していこう、という二つの視点を持てるよう、意識はしています。