WORKS
嵐山ちりん ブランディングデザイン|京都デザイン事務所 SQUEEZE Inc.
December 26, 2018
ヒアリングで課題を見つける
佃煮の製造を生業とする企業様からの最初の相談は「新しい商品のパッケージをひとつデザインして欲しい」というものでした。しかし、なぜ新しいパッケージのデザインをするかをお聞きする中で、言語化出来ていない問題があることに気付きます。それは「売上げが頭打ちになっている」ということ。分析をはじめると、京都の地にありながら観光客にあまりリーチ出来ていないということがわかります。そこで明確なターゲット設定とコンセプト設計を行い、デザインだけではなく商品の開発から関わることで1本筋の通ったブランドが誕生しました。
リブランディングか新規ブランドか
ターゲットを明確に設定したことでデザインの方向性も決まっていきます。ターゲットは観光客ではありますが、本体のブランドはすでに地元の顧客を抱えており、既存ブランドでそれを行うことは危険性もはらんでいました。そこで新ブランド「嵐山ちりん」を設立。本体のブランドとは別の若い層をターゲットに設定し、すべてを設計していきます。
デザイン会社がレシピ開発
新規ブランドのコンセプトに沿った商品の開発は親会社の商品開発部が担うこととなっていましたが、幾度かあがってきた商品からはどうにも従来の域を超えないものが多く行き詰まりを感じました。そこで、デザイン会社ではありながら私たちで商品のレシピを考案。20〜30種類のオリジナルちりめん山椒の中から試食会を重ね、ブランドコンセプトと製造に見合う商品を選定していきました。
ただのお土産モノで終わらせないために
嵐山ちりんは、ちりめん山椒の新しい味を楽しむだけではありません。数あるちりめん山椒屋さんとの差別化を測るにはデザインや味の違いだけでは弱いと考えました。そこで、数あるフレーバーをデザインに落とし込んだパッケージと同じ柄のコースターを作成したり、ちりめん山椒専用の木の器やスプーンなども制作し、食卓の中まで提案するブランドであるという差別化をはかっています。
デザイナーが商品開発から関わるというメリット
前述の通り、このブランドは商品の開発にもデザイナーが深く関与しています。すでに出来上がっている商品から発想するだけでは、表面的な表現に留まってしまう可能性があるためです。そのためコンセプトに沿った商品を開発する段階からデザイナーが関与することにより、デザインがブランドに寄り添うことができると考えているのです。
売り上げの積み上げ
このブランドの場合、親ブランドのリブランディングではなく、新規ブランドの立ち上げを選択しました。売り場が隣り合う場合でもどちらかを選択するのではなく、どちらも選択する可能性を高めておきたかったためです。ブランディングにより、購買層の切り分けに成功したため、当初の目標通り、親ブランドの売り上げを下げることなく、新ブランドの売り上げが積み上がる形に成長させることが出来ました。また店舗をみたデベロッパーなどから商談をいただくなど、メディアとしての役割も果たしています。